ConoHa AI Canvasは、高性能GPUのPCを持っていなくても、ブラウザだけでStable Diffusionが動かせるクラウドサービスです。 GMOインターネットが提供していて、月額1,100円から始められます。画像生成AI比較記事でも「モデルを自由に選びたい人向け」として紹介しました。
申し込む前に、1つだけ知っておいてほしいことがあります。プランの選択が、後からできることまで決めてしまうという点です。エントリープランを選んだ時点で、LoRAの自作は選択肢から外れます。
だからこの記事では、料金と手順を1本にまとめました。別々に読むと、この分岐に気づかないまま契約することになるからです。
※画面の細かな文言やボタン位置は改定されることがあります。手順の最新版は公式のConoHa AI Canvasサポートもあわせてご確認ください。
ConoHa AI Canvasとは?30秒でわかる要点
- ブラウザでStable Diffusionが動くクラウドサービス(GPU不要・スマホからでも操作可)
- WebUIは定番のAUTOMATIC1111とノード型のComfyUIから選択可能(GMOの発表によればComfyUI提供は国内クラウド事業者初・2025年3月)
- Stable Diffusion 1.5〜XLに対応し、好みのモデル(Checkpoint)やLoRAを自分で導入できる
- 料金は月額1,100円(税込)から+WebUI利用時間の従量制
- 国内大手GMOインターネットグループの運営
ChatGPTやGeminiが「完成品のモデルを使わせてくれる」サービスだとすれば、ConoHa AI Canvasは環境だけを貸してくれるサービスです。この違いがつかめると、次の料金体系の意味も分かります。
料金プラン:月額基本料+「WebUI無料時間」の組み合わせ
料金体系は少し独特で、「月額基本料金」+「毎月のWebUI無料利用時間」のセットです(2026年7月18日・公式サイト確認)。
| プラン | 月額(税込) | WebUI無料時間/月 | ストレージ | 超過料金 | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|---|
| エントリー | 1,100円 | 10時間 | 30GB | 6.6円/分 | まず試す人・初心者 |
| スタンダード | 4,378円 | 50時間 | 100GB | 6.6円/分 | 本格的に使う人・LoRA自作 |
| アドバンス | 9,878円 | 100時間 | 500GB | 6.6円/分 | 大量生成・業務利用 |
課金は「生成枚数」ではなく「WebUIの起動時間」です。 起動中は何枚生成しても追加費用がかかりません。集中して一気に作るなら、エントリーの10時間でもかなりの枚数になります。逆に、起動したまま放置すれば、1枚も生成していなくても時間は減っていきます。
「10時間」は多いのか少ないのか
エントリーの10時間は、単純計算で週あたり約2時間30分です。週末に2時間ほど向き合うか、平日の夜に20分ずつ触るか、そのくらいのペース。プロンプトを練りながら起動しっぱなしにすると、すぐ足りなくなります。作りたい絵の当たりを付けてから起動するなら、十分に収まります。
プランを上げる分岐点は「約18時間」
超過料金の6.6円/分は、1時間あたり396円です。ここからエントリーとスタンダードの差額(4,378円−1,100円=3,278円)を割ると、超過が約8時間20分を超えた時点で、エントリー+超過料金がスタンダードの月額に追いつくという計算になります。つまり、
- 月の起動が18時間あたりを超えるなら、スタンダードのほうが安い(10時間+超過8時間20分=約18時間20分が分岐点)
- 同じ計算をスタンダードとアドバンスで行うと、差額5,500円÷396円=約13時間54分。月64時間あたりを超えるならアドバンス(50時間+約14時間)
※いずれも本記事の掲載料金からの単純計算です。実際の請求条件は公式の料金ページでご確認ください。
上位プランに先回りする必要はありません。自分が月に何時間起動するのかを1〜2か月ぶん見てから決めれば、無駄な超過も、過剰な契約も避けられます。
できること:Stable Diffusionの自由度をそのまま
モデル・LoRAを自由に導入できる
ConoHa AI CanvasはStable Diffusion 1.5 / 2.0 / 2.1 / XLに対応し、好みの画風モデル(Checkpoint)やLoRAをアップロードして使えます。ChatGPTやMidjourneyのような「サービス側が用意した1つのモデル」ではなく、コミュニティの豊富なモデル資産を活かせるのが最大の違いです。
ここで効いてくるのがプラン表のストレージ列です。Checkpointは1ファイルあたりの容量が大きいため、エントリーの30GBは「常用するモデルを数本置いておく」規模感。画風ごとにモデルを揃えて使い分けたいなら、100GB以上のプランのほうが後で困りません。
WebUIを2種類から選べる
- AUTOMATIC1111 — 世界標準のWebUI。日本語の解説記事・動画が豊富で、初心者はまずこちら
- ComfyUI — ノードをつないで処理を組む中上級者向けUI。複雑なワークフローを構築できる
LoRAの自作まで可能(スタンダード以上)
スタンダード/アドバンスプランでは、LoRA学習ツールKohya SSも利用可能。「自分の作風を学習させたLoRAを作る」ところまでクラウドで完結します。
逆にいえば、エントリープランを選んだ時点で「LoRAの自作」は選択肢から外れます。 申し込み画面のプラン選択は、金額の選択ではありません。STEP5でできることの選択です。
申し込みから最初の1枚まで:5つのステップ
ここからは、公式サポートに記載されている流れに沿って、契約から最初の生成までを整理します。
始める前に:準備するもの・所要時間
- 必要なもの:メールアドレス、支払い方法(クレジットカードなど)
- PCスペック:不要(処理はクラウド側。ブラウザが動けばスマホ・タブレットでもOK)
- 所要時間:申し込み〜最初の1枚まで、およそ10〜15分
STEP1:申し込み・アカウント作成
- ConoHa AI Canvasの公式サイトにアクセスし、「お申し込み」をクリックします。
- サインアップ画面でメールアドレスとパスワードを入力し、「次へ」をクリック。
- すでにConoHaアカウント(ConoHa WINGなど他サービス)を持っている場合は、登録済みのメールアドレスとパスワードでそのままログインできます。
ConoHaは同じアカウントでレンタルサーバーなど他サービスも使えるため、すでにConoHaユーザーなら手続きは一気に短くなります。
STEP2:プランを選ぶ
エントリー/スタンダード/アドバンスの3プランから選び、「次へ」をクリックします。初めてなら月額1,100円・10時間分のエントリープランで十分です。使ううちに足りなくなったら、あとから上位プランへ切り替えられます。
ただし、あなたの目的が「最初からLoRAを自作したい」「置きたいモデルがすでに何本もある」なら、ここでスタンダードを選んだほうが遠回りになりません。このステップだけは、後戻りに再設定と時間のコストがかかります。
STEP3:WebUIを起動して初期パスワードを設定
- 契約が完了したら、管理画面の「WebUI起動」ボタンをクリックします。
- WebUIにログインするための「ユーザーネーム」と「パスワード」を設定します(ConoHaアカウントとは別に、画像生成ツールを開くための鍵、というイメージです)。
- 設定したユーザーネームとパスワードでWebUIにログインします。
これで、ブラウザ内にStable DiffusionのWebUIが立ち上がります。この「WebUI起動」を押した時点から、無料時間の消費が始まります。 パスワードは押す前に決めておいてください。考え込んだ時間もそのまま課金対象です。
STEP4:AUTOMATIC1111で最初の1枚を生成する
ConoHa AI Canvasには、初期状態で定番の「AUTOMATIC1111」とノード型の「ComfyUI」の2種類のWebUIが用意されています。初心者はまずAUTOMATIC1111を使いましょう。日本語の解説記事や動画が世界一豊富で、困ったときに調べやすいUIです。
ConoHa AI CanvasのAUTOMATIC1111は初期状態から日本語UIが有効になっています。新規契約者は特別な設定なしで日本語表記のまま使えるので、英語に身構える必要はありません。
最初の1枚を出す最短の流れは次の通りです。
- 画面上部のプロンプト欄に、描きたいものを英単語で入力(例:
a cute cat, sitting, soft light) - ネガティブプロンプト欄に、避けたい要素を入力(例:
low quality, blurry) - 右側の「Generate(生成)」ボタンをクリック
- 数十秒待つと、画像が生成されます
まずはこの基本操作で「ブラウザで本当に画像が出る」ことを確認しましょう。画質やスタイルの追い込みは、次のモデル導入から本番です。
STEP5:好みのモデル・LoRAを導入する
ConoHa AI Canvasの真価は、好みの画風モデル(Checkpoint)やLoRAを自分で導入できることにあります。初期のモデルのままでも生成はできますが、狙った絵柄を出すにはモデル選びが重要です。
- Checkpoint(モデル本体) — 画風の土台。写実・アニメ調・イラスト調など、目的に合ったものを導入
- LoRA — 特定のキャラや作風を追加学習させた小型ファイル。Checkpointと組み合わせて使う
モデルはコミュニティサイトで配布されているものをアップロードして使えます。スタンダード以上のプランなら、LoRA学習ツールKohya SSで「自分の作風を学習させたLoRAを自作」するところまでクラウド内で完結します。
商用利用の注意:生成画像を商用利用できるかは「使ったモデルのライセンス次第」です。モデル配布ページで商用可否・クレジット要否を必ず確認してから使いましょう(詳細は後述)。
時間課金を前提にした「作業の順番」
時間で課金されるサービスは、同じことをやるにしても、順番を変えるだけでコストが変わります。作業を次の3つに分けてください。
①起動前(課金されない)にやること
- 使いたいモデルを配布サイトで探し、ライセンス(商用可否・クレジット要否)まで確認しておく
- プロンプトとネガティブプロンプトの候補を、メモ帳などに書き出しておく
- 参考にしたい構図・作例を先に見ておく
②起動中(課金される)にやること
- モデルのアップロードと読み込み
- 生成と、パラメータの微調整
- 良かった結果の保存
③停止後(課金されない)にやること
- 生成物の選別、書き出し、投稿・納品の作業
- 次回試すプロンプトの整理
無料時間を溶かす典型は、モデル探しとライセンス確認を起動中にやってしまうことです。調べ物はブラウザの別タブで完結します。WebUIを止めてからでも、失われるものは何もありません。
つまずきやすいポイント
「気づいたら無料時間を使い切っていた」を防ぐ
課金はWebUIの起動時間でカウントされます。生成していない間もWebUIを起動しっぱなしにすると時間を消費し、超過は6.6円/分(=1時間396円)。次の習慣で無駄を防げます。
- 使い終わったら必ずWebUIを停止する
- 「起動→集中して一気に生成→停止」のサイクルで使う
- プロンプトや構図はメモ帳などで先に考えておき、起動後は生成に集中する
最初の生成が遅い・出ないとき
- 初回はモデルの読み込みで時間がかかることがあります。数十秒〜数分は待ってみましょう
- 画像が真っ黒/崩れる場合は、ネガティブプロンプトを足す・生成サイズを標準(512×512など)に戻すと安定しやすいです
プランの時間が足りなくなったら
エントリーの10時間で足りなくなったら、スタンダード(50時間)への切り替えどきです。目安は前述の「月18時間あたり」。超過が常態化しているなら、払う金額が同じでもストレージとKohya SSが付いてくるぶん、切り替えたほうが得になります。
商用利用の注意点:「モデルのライセンス次第」
公式FAQでは、商用利用が許可されているモデル(Checkpoint)で生成した画像であれば利用可能とされています。サービスとして一律OKなのではありません。使うモデルごとのライセンス確認が必須です。モデル配布ページの表記(商用可否・クレジット要否)を、使う前に必ず確認してください。
仕事で使う予定があるなら、モデルを選ぶ段階でライセンスをスクリーンショットに残しておいてください。 後から「このモデルは商用可だったか」を思い出せずに困ります。前述の「起動前にやること」にライセンス確認を入れているのは、この理由もあります。
正直な注意点
- 無料トライアルの明示はない — 公式料金ページに無料お試し期間の記載はありません(2026年7月時点)。まずはエントリー(1,100円)で1か月試すのが現実的です。
- 時間管理は自己責任 — WebUI起動しっぱなしだと無料時間を消費します。超過は6.6円/分(=1時間396円)なので、使い終わったら停止する習慣を。
- Stable Diffusionの学習コストはある — 環境構築は不要になりますが、プロンプトの書き方やモデル選びの知識は必要です。「とにかく手軽に1枚」ならChatGPTやGeminiのほうが早いです(比較記事参照)。
こんな人におすすめ/向かない人
向いている人
- 好みのモデル・LoRAで、思い通りの絵柄を追求したい人
- GPUなしのPC・タブレットからStable Diffusionを使いたい人
- 「枚数無制限で集中生成」というスタイルが合う人(時間課金のメリットを最大化できる)
向かない人
- 月に数枚、手軽に作れれば十分な人 — 無料で始められる汎用AIで足ります。Geminiの画像生成ガイドへどうぞ
- すきま時間に少しずつ触りたい人 — 細切れの起動は時間課金と相性が悪いサービスです。月額固定の生成サービスを選んでください
- モデル選びやプロンプトの学習に時間を割きたくない人 — 設定を自分で決める前提のサービスです。自由度の裏返しなので、ここは受け入れるか、避けるかのどちらかになります
まとめ
ConoHa AI Canvasは、「Stable Diffusionの自由度」と「クラウドの手軽さ」を月1,100円から両立させたサービスです。①申し込み・アカウント作成 → ②プラン選択 → ③WebUI起動・パスワード設定 → ④AUTOMATIC1111で生成 → ⑤モデル・LoRA導入の5ステップで、10分ほどで最初の1枚にたどり着けます。
押さえるべきは次の3点です。
- 課金は枚数ではなく起動時間。調べ物と選別は停止中に回す
- プラン選択はできることの選択でもある(LoRA自作はスタンダード以上)
- 月18時間あたりが、エントリーとスタンダードの損益分岐
まずは月1,100円のエントリープランで、自分が月に何時間起動するのかをつかんでください。物足りなくなってからモデル導入・LoRA自作・上位プランへ広げれば、払いすぎずに済みます。
他の画像生成AIと横並びで比べたいなら画像生成AI比較記事へ、まず無料の汎用AIから試したいならGeminiの画像生成ガイドへどうぞ。
よくある質問
GPU搭載パソコンがなくても使えますか?
はい。処理はクラウド側で行われるため、ブラウザが動けばスマホやタブレットからでもStable Diffusionを操作できます。高性能GPUのPCや環境構築は不要です。
料金はどのくらいかかりますか?
月額基本料金+WebUI無料利用時間の組み合わせで、エントリーは月1,100円(税込)・WebUI無料10時間です。課金は生成枚数ではなくWebUIの起動時間なので、起動中は何枚生成しても追加費用はかかりません。無料時間を超えると6.6円/分(1時間あたり396円)です。
申し込みから最初の画像生成まで、どのくらい時間がかかりますか?
GPU付きPCも環境構築も不要で、申し込みから最初の1枚まではおよそ10〜15分が目安です。必要なものはメールアドレスと支払い方法(クレジットカードなど)だけです。
初心者はどのプランを選べばよいですか?
まずは月額1,100円・WebUI無料10時間のエントリープランで十分です。ただしLoRAの自作(Kohya SS)はスタンダード以上のプランの機能なので、最初からLoRAを作りたい場合はスタンダードを選んでください。
エントリーからスタンダードに切り替える目安はありますか?
掲載料金からの単純計算では、月の起動時間が18時間あたりを超えると、エントリー+超過料金がスタンダードの月額に並びます。超過が続くようなら、ストレージとKohya SSが付くぶんスタンダードのほうが得になります。
英語のUIでも使えますか?
ConoHa AI CanvasのAUTOMATIC1111は、初期状態から日本語UIが有効になっています。新規契約者は特別な設定なしで日本語表記のまま使えるので、英語に身構える必要はありません。
課金される時間を節約するコツはありますか?
モデル探しとライセンス確認、プロンプトの検討、生成物の選別はWebUIを停止した状態でも行えます。これらを起動前・停止後に回し、起動中は生成とパラメータ調整だけに絞ると、同じ作業量でも消費時間を抑えられます。
生成した画像は商用利用できますか?
公式FAQでは、商用利用が許可されているモデル(Checkpoint)で生成した画像であれば利用可能とされています。サービスとして一律OKではないため、使うモデルごとにライセンス表記(商用可否・クレジット要否)を必ず確認してください。
無料トライアルはありますか?
公式料金ページに無料お試し期間の記載はありません(2026年7月時点)。まずはエントリープラン(1,100円)で1か月試すのが現実的です。
※本記事の料金・仕様は2026年7月18日時点で公式サイトを確認した情報です。画面仕様や料金は変更される場合があるため、申込前に必ず公式サイトおよび公式サポートで最新情報をご確認ください。
